新しい聴覚障害アドバイザー

日本とニュージーランドの対応と補聴器について


日本での小耳症患者の対応


日本で誕生し、3歳まで日本で生活しました。

『片耳が正常に聞こえているのなら、その耳の聴力を保てば問題ない』

と言われてきました。半年ごとの聴力検診を受けていました。

耳の中を綺麗にして、問題がないかをチェックしてから聴力検査でした。


言葉が分からない頃の検診は、シンバルを叩くサルや笛を吹くウサギの

おもちゃがあって、音が出た方を見たら聞こえているというような

検診方法でした。


年齢が上がってくると1年に1度の検診になりました。

毎回、同じような検診方法で聴力検査をして、特に問題がなければ

また1年後に来てくださいと言われていました。

その他には、耳の形成手術の話を聞くために1度だけ形成外科を

受診しました。


ニュージーランドの小耳症患者の対応

 
耳の形成手術をするのは耳鼻科のチームが対応してくれるので、

1年に1度、耳に問題がないか状態チェックと何か心配事がないか?

などの話を聞いてくれたりしました。

耳の形成手術は、日本と同じ手術方法でした。

違いといえば、手術にお金が一切かからない事でした。

ニュージーランドでは12歳ころまで無料で受診できるので、

10歳頃に行う形成手術も無料になります。


この検診の時に『補聴器は使用していないの?』って聞かれて

『日本では、片耳が正常なら何も必要ないって言われた』と言うと

『それでは言葉の発音に問題が出たりする場合があるから、

ここでは早いうちから使用するようにしているよ』と言われました。

この時、子供は5歳。『5歳では遅いくらいだよ』と言われてしまい、

『早く補聴器を使用した方がいいね』と聴覚専門の先生がいる

Audiologyに予約をしました。


補聴器を使用開始!


Audiologistと会い聴覚の検査をしました。

もう5歳なので、言葉は話せるようになっていました。

3歳から保育園に通っていたので、英語もそれなりに理解できる状態です。

どんな聴覚検査かというと、正常の耳にイヤフォンをして音を流します。

『音が鳴ったらビー玉を箱に入れてね』と指示されて、低い音から

高い音まで色々な音を聞いてビー玉を入れていきます。

小耳症の方の耳の検査もしました。

ヘッドフォンをして、同じように音を鳴らしていきます。


子供の為に2種類の補聴器があると紹介されました。

1つはヘアバンドのようになっていて、小さい耳の後ろに補聴器が

当たるようにして付ける物でした。この補聴器には他に特徴があって

例えば、授業で先生が専用のマイクを付けて話すと補聴器にダイレクトに

先生の声が聞こえてくるので、他の子供がうるさくても先生の声を

聞く事が出来るようになります。


そして、もう一つはこれです。


専用のアダプターが付いたステッカーを小さい耳の後ろに貼り付けて

補聴器をつけるタイプの物です。これには先程のヘアバンドタイプの

ような専用のマイクなどはないので、普通の補聴器になります。


なぜ、こちらを選んだかというと、ヘアバンドタイプだと締め付けが

ある為に嫌がる子供が多いそうです。小さい子供だとヘアバンドタイプが

良いそうです。外を歩いている時など、ダイレクトに言葉が聞けるため

交通事故の防止効果があるそうです。

私の子供は既に5歳なので、締め付けに耐えられないし、見た目がいいので

こちらの補聴器の方がいいと判断しました。

補聴器も無料で提供されました。補聴器を使用する為のバッテリーや

ステッカーなども学生のうちは、無料で提供されます。

もし補聴器が壊れてしまった場合も1度だけ無料で提供されるそうです。


この補聴器を試してみて、声がダイレクトに聞こえるヘアバンドタイプ

の方がいいと思ったら、そちらに変更可能と言われました。


子供が補聴器を始めて使った時の顔が忘れられません。

『あっ!』って驚いた感じと聞こえて嬉しい感じの顔の表情が

ぱっと変わって、私も嬉しくなりました。


補聴器の使用具合


この補聴器を使用して2年くらいになります。

付けない時もたまにありますが、学校に行く時はほぼ毎日、使用しています。

週末やホリデー中などは、使用しない事があります。


補聴器を使用し始めた時は半年に1回程度の検診がありました。

その後は1年に1度になりました。音の調整などが必要な場合は予約を

入れて検診をします。


学校の友達なども特に気にしていないみたいです。

補聴器が目立たないのもあって、たまに『これは何?』って聞く子が

いるくらい。その時は『補聴器だよ。こっちの耳は聞こえないんだ』

『僕の耳が聞こえるように助けてくれるんだよ』って説明していると

子供は言っていました。


親として『補聴器をつけないといけない』と聞いた時は、

色々と不安になりました。

『学校で他の子から何か言われないかな?』って事が

一番気になりました。

『学校の先生から補聴器について説明してもらった方が良いのかな?』

って担任の先生に相談したり。

でも色んな人、人種などがいて当たり前のニュージーランドなので、

何も問題がなく過ごしています。

補聴器をつけている事でイジメられたり、何か言われたりする事は

全くありませんでした。




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